大丈夫じゃない!と言える力

はじめまして。臨床心理士・公認心理師の岡田と申します。

前身のそらクリニックの頃からおりますので、もしかするとご存知の方もおられるかもしれませんね。

はじめましての方も、そうでない方も、今度ともよろしくお願いいたします。

 

さて、先日、小さな男の子を連れた親子を見かけました。

その子は走っていて転んでしまったのですが、遠目に見たところケガをしているようすはなさそうでした。

そんな中でお父さんが「大丈夫か!?」と駆け寄るのですが、その子は「大丈夫じゃない!」とキレ気味に返します。

そしてお父さんは「そうか、大丈夫じゃないか!」とその子を抱き上げたのですが、その姿に私はハッとさせられてしまいました。

 

「大丈夫?」と聞かれたら、皆さんはどう返しますか?

みんながみんなそうではないと思いますが、「あ、大丈夫です」と返す人は多いのではないでしょうか。

日本人特有の遠慮なのか気づかいなのか何なのか、助けの手を差し出されると、素直に受け取らない(受け取れない)人は結構多いようですし、そもそも自分から助けを求められる人も意外と多くはないように感じられます。

 

助けを求めることや、求めることの出来る力を、「援助希求(えんじょききゅう)」とか「援助希求能力」といいます。

困っていることを困っていることとして素直に発信できることは意外と難しいのですが、生きていく上でとても大切だったりします。

誰の手助けも借りずにやっていくことが自立した大人のように思えるかもしれませんが、実際は誰かの手助けがないと乗り越えられないことは多いですよね。

 

お腹の具合が…とか最近眠れない…など、日々の困りごとにも色々あると思いますが、arata clinicはそうした困りごとが起こった時に皆さんにヘルプを求めてもらえるクリニックでありたいなと思っている私なのでした。